4/07/2017

真っ赤なパンプス / les escarpins pourpres

大阪市内、神戸、西宮でパーソナルカラー診断。
ひと工夫したスタイルが定評の元繊維商社マン、
カラーコンサルタントのタゴアキコです。


雨が降ると、いつも思い出す光景があります。

フランス、パリのマルシェにて。
赤いドット柄の傘を杖代わりに歩く、一人のマダム。
少し曲がりぎみ、歩くスピードのんびりゆっくり。

恐らく耳が遠いのでしょう
時折、店のムッシューと大きな声で会話を交わしています。
楽しそうに野菜や果物を手に取る、優しそうな雰囲気のおばあちゃん。


ちょうどその日、外は小雨模様でした
買い物を終え傘を差そうとした時、先のマダムの姿が目に入りました。

外見から推測して、結構なお年だったと思います。
傘を杖のようにして歩くマダムの足元は、3センチほどのヒールある真っ赤なパンプスでした。


当日の天候やマダムの年齢を考えて、私だったらきっと歩きやすいフラットシューズを選んだでしょう
特にパリの街は石畳が多いので、足が丈夫な人でもヒール靴で歩くと疲れてしまいます。

例え足元が悪くても赤いパンプスを履き、街へ繰り出すマダムの姿に、『強い信念』のようなものを感じました。


あれから何年も経ちますが、雨の日にはマダムの真っ赤なパンプスが頭をよぎります。
「お気に入りの靴を履けば雨のお出かけも悪くないわよ」と、マダムの声が聞こえてくるようです。


Musée des arts décoratifs
パリ装飾芸術美術館
ルーブル美術館横にある、お勧めの美術館

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