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6/29/2017

私は私 / je suis comme je suis

カラーコンサルタントのタゴアキコです。


久しぶりに、面白いフランスドラマを観ました。

「Nos années pension(僕らの寮生活)」というドラマ。


舞台は、とある高校の寮。
バンド活動を共にする5人の男女が繰り広げる、青春ストーリーです。

先日、シーズン1の4話を見て、「あっ」と思うシーンがありました。


主人公の一人に、Morgane(モルガン)という女の子がいます。
彼女はバンドのボーカルを担当。
透き通る声が魅力的です。

ある日、Morganeを除くメンバー4人が音楽ルームに集まりました。

マイクスタンドをセッティング中のAmel(アメル)に皆の視線が集まります。
「え、私?歌えないわよ」と焦る、ギター担当のAmel。

結局、皆に促されてAmelは歌い始めますが、間もなく胸騒ぎを感じたMorganeが部屋に入ってきます。
自分でなく、Amelがマイクを握る姿を前に、動揺を隠せません。
おまけにAmelの歌唱力は、なかなかのもの。



例えばこれ、カラーリストの場合。
自分のポジションを、誰か他の人に奪われてしまったなら。

やはり動揺するだろうし、自分の至らなさを責め立てるかもしれません。
私なら、自信を失ってしまうかもしれません。



ドラマの終盤では、「自分にしかない良さがある」と気づいたMorgane。
Amelにマイクを差し出し、一緒に歌おうと誘います。


そうなんですよね。
ボーカルと一口に言っても、その個性は様々。

声の質も、歌い方も、かもし出す雰囲気も。
その人にしか表現できない、良さがそれぞれ存在します。



これは、カラーリストも同じこと。
人それぞれ、提供できる技術やサービスは異なります。
個で動いていると見失いがちですが、「私は私」と自信を持っていいのだと思います。


気分転換にドラマを観たつもりが、何だか色々と考えさせられてしまいました。

それにしても、女の子たちの大人っぽさたるや。
ティーンエージャーとは思えぬ色気に、白旗を掲げる思いでした。





皆さんにも観ていただきたいけれど
どうやら日本語字幕がない模様。
残念です。。。





カラーの専門家を目指すなら

4/07/2017

真っ赤なパンプス / les escarpins pourpres

大阪市内、神戸、西宮でパーソナルカラー診断。
ひと工夫したスタイルが定評の元繊維商社マン、
カラーコンサルタントのタゴアキコです。


雨が降ると、いつも思い出す光景があります。

フランス、パリのマルシェにて。
赤いドット柄の傘を杖代わりに歩く、一人のマダム。
少し曲がりぎみ、歩くスピードのんびりゆっくり。

恐らく耳が遠いのでしょう
時折、店のムッシューと大きな声で会話を交わしています。
楽しそうに野菜や果物を手に取る、優しそうな雰囲気のおばあちゃん。


ちょうどその日、外は小雨模様でした
買い物を終え傘を差そうとした時、先のマダムの姿が目に入りました。

外見から推測して、結構なお年だったと思います。
傘を杖のようにして歩くマダムの足元は、3センチほどのヒールある真っ赤なパンプスでした。


当日の天候やマダムの年齢を考えて、私だったらきっと歩きやすいフラットシューズを選んだでしょう
特にパリの街は石畳が多いので、足が丈夫な人でもヒール靴で歩くと疲れてしまいます。

例え足元が悪くても赤いパンプスを履き、街へ繰り出すマダムの姿に、『強い信念』のようなものを感じました。


あれから何年も経ちますが、雨の日にはマダムの真っ赤なパンプスが頭をよぎります。
「お気に入りの靴を履けば雨のお出かけも悪くないわよ」と、マダムの声が聞こえてくるようです。


Musée des arts décoratifs
パリ装飾芸術美術館
ルーブル美術館横にある、お勧めの美術館

3/13/2016

近くの色遠くの色 / la couleur de la peinture

近頃は足が遠退いていますが、かつてはよく美術館に通っていました。
特に、フランスを訪れた際は「美術館の日」と称して、ひとつの美術館に一日中入り浸ったり、数か所をハシゴして回ったり

ある時、パリにあるルーブル美術館の一室で遠くから絵を眺めていました。
すでに何十枚という絵を見た後で足腰が疲れていたこともあり、ぼんやりと佇み休憩をしていたのです
すると私が一人で暇そうに見えたのか、相手も暇だったのか、「絵はそうやって離れて見るといいよ」と、その場にいた監視員が話しかけてきました

そのムッシューいわく、日本人は絵を近距離で鑑賞する人が多いそう。
「細部に目が行き届く日本人ならではだよね」と私を立ててくれましたが、画家が表現する色を知りたければ離れて見ることを勧められました。

確かに、寄たときと離れた場合では、同じ絵画でも全く違う顔を見せることがあります。暗い絵だと思っていたら実は明るい印象だった、というように。
 近くで観察することも悪はないけれど、必ず最後に一歩下がって全貌を見てほしいと、その監視員は別れ際に言いました

休憩をして歩く元気を取り戻したので、来た道を戻り意識して全ての絵を遠くから眺めたところ、何枚かは一度目と違って見えました。私も知らぬ間に、細部に目を奪われていたのです

今でも絵を前にすると、あのムッシューの言葉を思い出します。
「近くの色と遠くの色、絵画には様々な見え方があるんだよ」と。

3/08/2016

青い瞳 / ses prunelles bleues

パリに居たころ。

キラキラと太陽が眩しい夏空の下、すれ違った女性のTシャツ姿があまりに素敵、予定を変更し買い物へ繰り出したことがあります


私が見惚れたその女性は、決してスタイル抜群というわけではありませんでした。

しかし、身体によく似合ったTシャツは、シンプルながらその女性の魅力を引き立てていました。


さて、意気込んでTシャツを買いに行ったもの、何を選ぶか迷う私に一人のスタッフが声をかけてくれました。

「失礼ですがお客様が手にしている色は、あなたの瞳の魅力を半減してしまいます」と。


「え?」

不意を突かれて戸惑うアジア人と、真剣な表情の欧米人。
沈黙の後、彼女はニッコリ笑い、もう一度私に言いました。

「あなたの綺麗な黒い瞳には、もっと似合う色があります」。


そんなことを言われたのは、生まれて初めてでした。
服を選ぶのに、瞳の色など気にもとめませんでした。


でも、そう言えば。

以前にフランス人の友人が、「服選びの際は瞳の色を気にする」言っていたことを思い出し、素直にアドバイスに耳を傾けることにしました。



モノトーンの瞳を持つ私は、欧米人に比べ黒が映えること。

上半身に発色の綺麗な色を置くと、黒目が際立つこと。

視線を上に、瞳を強調すると、小柄な体型をカバーするのに効果的であること。

彼女は、このような話をしてくれました。



瞳の色と似合う色の関係性。
彼女の話は当時の私に新鮮で、今でもその言葉が残っています。


暑い夏がやってくると、時々思い出すあの日の出来事。

ファッションが大好きという彼女の耳には、青い瞳に合わせたコバルトブルーのピアスが美しく輝いていたのを、今でも鮮明に覚えています。

2/28/2016

オレンジ色の光 / une lueur orangée

一日の終わり。


食後の片付けや、あれこれやらなければならない用事を済ませ、部屋の全ての電気を切る。

オレンジ色のライトを灯し、束の間の自由な時間に身を委ねる……


頻繁に設けられるわけではないのですが、私にとって大切な、癒しのひと時です。



間接照明の魅力を知ったのは、部屋を間借りしていたマダムと過ごしたパリのリビングでした。


温かい紅茶や一杯の赤ワイン、良い眠りを誘うと勧められたリキュール酒などを片手に、ソファに腰掛け今日一日の出来事を語り合う。

聞き慣れない単語や高度なフランス語の表現に四苦八苦しつつ、美しいランプから漏れるオレンジ色の光に包まれ、身も心も解きほぐされるようでした。


“本を読むには光が足らない”、仄暗い明るさの中。

壁に映し出された大小の影が幻想的で、これぞ大人の時間の楽しみ方だと心打たれたものでした。



「さて!」と腰を下ろした瞬間に、用事が目に入ることも多々。

ゆっくり味わうことはなかなか至難の技ですが、時に一人で、時に夫と。
オレンジ色の光に包まれ一日を締めくくるこの瞬間は、何にも代え難い至福のときです。

2/25/2016

花の都は何色か / De quelle couleur est Paris ?

初めてフランスを訪れたのは、17歳になったばかりの夏のことでした。ペンフレンドだったひとつ年下のパリジェンヌとお互いの家に滞在する機会に恵まれ、夏休みの後半をパリで過ごしました。

知っているフランス語は「ボンジュール」のみ。パリがフランスのどこに位置するのかも曖昧なまま、好奇心だけを抱えて日本を発ちました

「花の都」や「光の都」と称されるパリ。
その名の通りキラキラ輝く街に違いないと、期待に胸を膨らませ降り立った先で目にしたのは、薄暗いグレーの世界。一瞬、ここは何処かと目を疑うほど。
無機質な空港の建物、片側の蛍光灯が切れたエレベーター、市内へ向かう道すがら次々と現れる落書きまみれの壁。「花の都」とは程遠い印象を受け、ひとり唖然となったのを覚えています。

かくして、第一印象が灰色だったパリの街ですが、不思議なことにそこに身を置き、と触れ合うことで、徐々に周りが色めき始めたのです
それからというものすっかりフランスの虜になった私は、必死で言葉を学び、時間とお金が許す限り足繁くその場を訪れました

17歳だった私の目に映ったグレーのパリ
あの頃が嘘のように、色とりどりの思い出が詰まった彼の国は、今や私にとってかけがえのない第二の故郷です。

2/24/2016

白い壁 / un mur blanc

ここ最近、雑誌やテレビ番組などで、部屋の壁をプチリフォームする特集を目にする機会が増えました。身近にある素材を使ったDIY術など、真似したくなる情報が満載です。

たかが壁、されど壁。

どこか一面に色を取り入れるだけで、部屋全体の印象ががらりと変わる面白さ。
我が家もイメージチェンジを企てるものの、とある場所で目にした洗練された白い壁が忘れられず、「やっぱり白」と実行せずに至ります。

今から10年以上も前のこと。フランスのパリとリヨンに、数か月間滞在していたことがあります。
ある時、パリで部屋を間借りさせてもらっていたマダムに誘われ、パリ郊外で開かれたアペリティフパーティに参加する機会がありました。

大きな庭のプール脇に用意されたテーブルコーディネートも素敵だったのですが、室内に通された際に目に飛び込んできた白い壁の前で、私の足は立ち止まりました。
真っ白い大きな壁に散りばめられた、光り輝くイルミネーション。
白に映えるオレンジの光が何とも美しく、こんな壁の飾り付けもあるのかと一瞬で虜になりました。

残念ながら天井の高さが違うので、日本の住宅であの絶妙なセンスを再現するのは容易ではありませんが、何年経っても脳裏に焼きついて離れない白い壁は、私の永遠の憧れです。