一日の終わり。
食後の片付けや、あれこれやらなければならない用事を済ませ、部屋の全ての電気を切る。
オレンジ色のライトを灯し、束の間の自由な時間に身を委ねる……
頻繁に設けられるわけではないのですが、私にとって大切な、癒しのひと時です。
間接照明の魅力を知ったのは、部屋を間借りしていたマダムと過ごしたパリのリビングでした。
温かい紅茶や一杯の赤ワイン、良い眠りを誘うと勧められたリキュール酒などを片手に、ソファに腰掛け今日一日の出来事を語り合う。
聞き慣れない単語や高度なフランス語の表現に四苦八苦しつつ、美しいランプから漏れるオレンジ色の光に包まれ、身も心も解きほぐされるようでした。
“本を読むには光が足らない”、仄暗い明るさの中。
壁に映し出された大小の影が幻想的で、これぞ大人の時間の楽しみ方だと心打たれたものでした。
「さて!」と腰を下ろした瞬間に、用事が目に入ることも多々。
ゆっくり味わうことはなかなか至難の技ですが、時に一人で、時に夫と。
オレンジ色の光に包まれ一日を締めくくるこの瞬間は、何にも代え難い至福のときです。
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