その昔、大学の合格祝いに、シャネルの口紅をプレゼントしてもらいました。
大人の女性として認められた気がしてドキドキしながら鏡に向うも、あどけない表情の真ん中で異彩を放つ真紅の唇。
老舗ブランドの気高い赤を使いこなせる術もなく、結局、その口紅は母の手に渡ったのでした。
以来、あの独特な雰囲気に釣り合う女性になる日を夢見て、密かに憧れ続けたシャネルの赤。
先日ふと、今の自分に必要な気がして、赤を求めてシャネルのカウンターを訪れました。
手にしたのは、ボルドーに近いルージュ。
私を少し大人に魅せてくれる、こっくりした深みある赤。
我が物にするにはまだまだ修行が必要だけれど、シャネルの赤をさすと背筋をピンと伸ばしたくなり、心なしか強くなった自分がいるのです。
まるでココシャネルが、力を貸してくれたかのように。
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