流行りのアイテム云々ではなく自分自身を表す手段として、
ファッションは必要不可欠と言えるでしょう。
実は、前回の記事を書いていた頃、私は会社員をしていました。
およそ10年以上にわたり、決められた時間を費やした日々。
その場を離れて初めて、私の人生の大部分を占めていたことに気づきました。
退職の翌日から、喪失感と脱力感に見舞われ、体が思うように動かなくなりました。
私という個が消えてしまった気さえし、強い不安を覚え完全に自分を見失いました。
厳密に言えば、夫の妻であり、子の母である私は社会的役割を担っていますが、
「わたし」という個人を示す言葉を失ったことは意外にも大きなダメージでした。
そんな折、ある人の元を訪れ、ファッションを通じて自分自身と向き合う機会を設けていただきました。
ネイルを施しながら、私の言葉を一つひとつ丁寧に紐解いてもらい、10本目の爪が彩られる頃には私の本意を確認することができました。
翌日には街へ繰り出し、私のたどり着きたい未来をイメージしたファッションをスタイリングしてもらいました。
時にチャラチャラ軽いものと誤解を招くファッションですが、
装うことは深く、その人の精神を映します。
例えば、ファッションに振り回されている場合は、内面に何か問題を抱えているとき。
反対に、ぴったりとその人の魅力を際立たせる装いができている場合は、心身ともにバランスの保たれているとき。
これほどに、装うことは我々に大きな影響力をもたらします。
かくいう私は、装いを通じて見失いかけていた自分を取り戻し、次なるステップへと進む勇気を手にすることができました。
装いはパワー。
装いの力を、身を持って実感しました。
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