初めてフランスを訪れたのは、17歳になったばかりの夏のことでした。ペンフレンドだったひとつ年下のパリジェンヌとお互いの家に滞在する機会に恵まれ、夏休みの後半をパリで過ごしました。
知っているフランス語は「ボンジュール」のみ。パリがフランスのどこに位置するのかも曖昧なまま、好奇心だけを抱えて日本を発ちました。
「花の都」や「光の都」と称されるパリ。
その名の通りキラキラ輝く街に違いないと、期待に胸を膨らませ降り立った先で目にしたのは、薄暗いグレーの世界。一瞬、ここは何処かと目を疑うほど。
かくして、第一印象が灰色だったパリの街ですが、不思議なことにそこに身を置き、人と触れ合うことで、徐々に周りが色めき始めたのです。
それからというものすっかりフランスの虜になった私は、必死で言葉を学び、時間とお金が許す限り足繁くその場を訪れました。
17歳だった私の目に映ったグレーのパリ。
あの頃が嘘のように、色とりどりの思い出が詰まった彼の国は、今や私にとってかけがえのない第二の故郷です。
0 件のコメント:
コメントを投稿