雑誌VOGUEのデジタル版で、DOLCE & GABBANA(ドルチェ&ガッバーナ)がイスラム教徒の女性に向けた「アバヤ」と「ヒジャブ」のコレクションを発表したというニュースを見かけ、ある出来事を思い出しました。
アバヤとは目と手足の先を除いた全身を覆う布のことで、ヒジャブは頭髪のみを隠すもの。近親者以外に目立った姿を見せてはいけないというイスラム教徒の教えに沿った、女性のための衣装です。
厳しい規律も存在するので一概には言えませんが、デザイン性の高いものも人気があるようです。
数年前、カタール経由でヨーロッパへ行きました。
ドーハ国際空港で次のフライトを待つ間、中東に降り立つ機会も少ないだろうと、暇つぶしに周囲を観察することにしました。
さすがはイスラム教徒の国。
男性も女性も、宗教衣装に身を包んだ人が多く目の前を行き交っていました。中でも、全身に黒い布をまとった女性の姿は私の目に珍しく、神秘的な雰囲気さえ感じました。
出発時刻も近くなり、お手洗いに立ち寄ったときのこと。
世間話に花を咲かせ、彫の深い顔にお化粧を施す二人の女性が目に入りました。
色鮮やかで華やかな様子に気がつかなかったのですが、身支度を終えるや否や二人は黒い布で体をすっぽりと覆い、イスラムの女性に“変身”したのです。
黒い布の下に隠された、色に満ちた女性の姿。
何か見てはいけない秘め事を目の当たりにしたようで、ドキッとしてしまいした。
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