私の本棚には、光野桃さんの書籍が欠かせません。10代の頃に『洗練の法則』という一冊のエッセイに出会って以来、そのコレクションは増え続けています。
作家であり、エッセイストでもある光野さん。女性誌の編集者を経て、文筆活動を開始。ファッションや暮らしを通じて、“私が私らしく”生きるためのヒントを美しい言葉で綴られています。
光野さんの文章は、色を読み解く面白さを私に教えてくれました。
おしゃれの参考書であるファッション誌は視覚に訴えかけるものであり、目に飛び込んできたままの情報を誰もが差異なく理解することが可能です。
言い換えれば、写真で見る「赤」はそれ以上でも以下でもなく、目に映る「赤」でしかありません。
ところが文章で色を表現した場合、著者の書き方や読み手の捉え方によって、想像される色は千差万別。緑を例に挙げても「翠色」や「グリーン」など、言い方を変えるだけでその印象は随分と変わるでしょう。
写真も挿絵もない、文字だけが連なる本の世界。
目に見えているのは紙面の白色と黒いインクの文字だけのはずが、光野さんの表現が加わることで不思議と頭の中に浮かび上る色彩の数々。
目に見えているのは紙面の白色と黒いインクの文字だけのはずが、光野さんの表現が加わることで不思議と頭の中に浮かび上る色彩の数々。
漆黒のベルベット、蜂蜜色のドレス、薔薇色の珊瑚……
光野さんが選ぶ言葉の数々にうっとりすると同時に、日本語が表す色の美しさに感銘を受けました。
私のお気に入りの一節が、『おしゃれの視線』という本の中にあります。
光野桃オフィシャルサイト桃の庭
http://mitsuno-momo.jp/
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